コレステロールを下げるためにアトルバスタチンを服用している方、もしくはこれから服用を考えている方へ!
アトルバスタチンの効果や副作用、避けるべき食品など、知っておきたい情報をわかりやすくまとめました。健康な生活をサポートするために、ぜひ最後までお読みください。
※このサイトはアフィリエイト広告(Amazon・楽天アソシエイト含む)を掲載しています。
アトルバスタチンとは?
アトルバスタチンは、コレステロールを下げるために使われる薬。
これは、肝臓でコレステロールを作る酵素を抑えることで、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の量を減らします。
先発医薬品の名前は「リピトール®」。
脂質「lipid」に由来して、リピトール®「Lipitor®」と命名されたそうです。
アトルバスタチンの効果と作用機序
アトルバスタチンがコレステロールを下げる仕組みは以下の通り。
アトルバスタチンは血液中のコレステロール量を調節する主要臓器である肝臓のHMG-CoA還元酵素を選択的かつ競合的に阻害し、アトルバスタチンと同程度の活性を有する代謝物とともに、肝臓のコレステロール合成を抑制する。
その結果、アトルバスタチンは肝臓のLDL受容体数を増加させ、かつリポ蛋白分泌を抑制することにより血中脂質量を低下させる。
また、アトルバスタチンは血中脂質動態を改善して、高コレステロール血症に伴う動脈硬化の発症を抑制する。
引用元:リピトール錠 添付文書.pdf
これらの作用により、結果として心臓病や脳卒中のリスクを下げることが最も重要な効果となります。
アトルバスタチンを処方される理由
高血圧や脂質異常症が原因で起こる動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中のリスク要因のひとつ。
アトルバスタチンは先ほど述べたようなコレステロール値を改善することにより、動脈硬化の予防に役立ちます
そのため、アトルバスタチンはコレステロールが高い方や心血管疾患のリスクが高い方、糖尿病患者にもよく処方されたりします。
アトルバスタチンの副作用と注意点
アトルバスタチンの使用にはいくつかの副作用がありますが、特に注意が必要なのが横紋筋融解症。
これは、筋肉の細胞が破壊され、筋肉タンパク質が血流に漏れ出す深刻な状態です。
これにより、腎臓に負担がかかり、腎不全を引き起こす可能性があります。
横紋筋融解症とは?
横紋筋融解症は、筋肉細胞が急激に壊れることで発生します。
横紋筋とは「縦横に模様がある筋肉」のこと。
具体的には「骨格筋(いわゆる筋肉)」と「心筋(心臓の筋肉)」が該当します。
これにより、ミオグロビンというタンパク質が血流に流れ込み、腎臓のフィルターを詰まらせます。この状態が進行すると、急性腎不全やその他の深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
症状と早期発見
横紋筋融解症の初期症状には、筋肉の異常な痛み、筋力低下、疲労感が含まれます。
また、尿の色が茶色や赤褐色になることもあります。
よく「コーラ色の尿がでたら受診を」と促されますが、正しくコーラっぽい色ですね。
これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。
早期発見と適切な対応が、重篤な合併症を防ぐ鍵となります。
リスク要因
横紋筋融解症のリスクは、アトルバスタチンの用量や併用薬によって増加します。
特に、他のスタチン系薬剤や抗生物質、免疫抑制剤と併用する場合はリスクが高まります。
また、腎臓や肝臓に既往症がある人、アルコールを大量に摂取する人も注意が必要です。
リスク要因 | 詳細 |
---|---|
高用量のアトルバスタチン | 高用量の服用は筋肉への負担を増加させます |
併用薬 | 他のスタチン系薬剤、抗生物質、免疫抑制剤など |
既往症 | 腎臓病や肝臓病の既往症 |
大量のアルコール摂取 | アルコールが肝臓に負担をかけ、リスクを増加させます |
予防と管理
横紋筋融解症を予防するためには、アトルバスタチンの適切な用量を守り、医師の指示に従うことが重要です。また、定期的な血液検査で肝機能や筋肉の健康状態をチェックすることも推奨されます。
併用薬については、必ず医師や薬剤師に相談し、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
アトルバスタチン服用中に避けるべき食品とは?
グレープフルーツの影響と理由
アトルバスタチンを服用中にグレープフルーツを摂取することは、避けるべきとされます。
これは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという化合物が、アトルバスタチンの代謝に重要な役割を果たす酵素(CYP3A4)を阻害するためです。
この酵素の働きが抑えられることで、アトルバスタチンの血中濃度が上昇し、副作用のリスクが増大します。
グレープフルーツの影響の詳細
グレープフルーツを摂取すると、フラノクマリンが小腸内でCYP3A4酵素の働きを阻害します。
この酵素は通常、アトルバスタチンの代謝を助ける役割を持っており、小腸から体内に吸収される薬の量をある程度抑えるのですが、この酵素の活動が抑制されると、アトルバスタチンが分解されずに血中に多く吸収されます。
結果として、薬の効果が強まり過ぎ、筋肉痛や肝機能障害などの副作用が増加する可能性があります。
このように、グレープフルーツは、アトルバスタチンの効果を増強し、副作用のリスクを高めるため、服用中は避けるべきです。特に、グレープフルーツジュースも同様に避けることが推奨されます
フラノクマリンを含有する他の食物は何?
グレープフルーツ以外にもフラノクマリン類が含まれている柑橘類があり、同じように相互作用が報告されているので、注意が必要です。
以下はフラノクマリンが含まれる柑橘類とほとんど含まれない柑橘類の一例です。1
柑橘類に含まれるフラノクマリン類のDHB(ジヒドロベルガモチン) 換算量(μg/mL)
カンキツ名 | 果汁{DHB換算量(μg/mL)} | 皮{DHB換算量(μg/mL)} |
グレープフルーツ | 13.0 | 3600.0 |
スウィーティー | 17.5 | 2400.0 |
メロゴールド | 12.5 | 3400.0 |
バンペイユ | 12.5 | 75.0 |
レッドポメロ | 6.4 | 240.0 |
ダイダイ | 3.2 | 72.0 |
ブンタン | 2.25 | 660.0 |
ハッサク | 0.92 | 20.0 |
サワーポメロ | 1.0 | 1000.0 |
メキシカンライム | 0.96 | 35.0 |
甘夏ミカン | 0.6 | 1040.0 |
パール柑 | 0.9 | 20.0 |
サンポウカン | 0.4 | 40.0 |
レモン | 0.05 | 180.0 |
日向夏 | 0.12 | 28.5 |
ネーブルオレンジ | 0.05 | 0.24 |
スウィートオレンジ | 0.01 | 16.0 |
ウンシュウミカン | 検出されず | 検出されず |
ポンカン | 検出されず | 0.08 |
イヨカン | 検出されず | 0.2 |
デコポン | 検出されず | 検出されず |
ユズ | 0.01 | 0.4 |
カボス | 0.01 | 1.44 |
スダチ | 検出されず | 0.14 |
キンカン | 検出されず | 0.02 |
齋田哲也,藤戸博 佐賀大学医学部附属病院薬剤部
医療薬学Vol.32 No.7(2006)より
以上のデータから、スウィーティーやメロゴールド、バンペイユなどもグレープフルーツと同程度、果汁にフラノクマリンを含んでいるため避けた方がいいと言えます。
また、柑橘類の皮には特に多くのフラノクマリン類が含まれていることもわかります。
このため、柑橘類の皮を使用しているマーマレード等は避けた方がよい食品のひとつとなります。
生薬に含まれるフラノクマリン類のDHB(ジヒドロベルガモチン) 換算量(μg/g)
漢方に用いられる生薬には、柑橘類の植物が用いられていることもあります。
生薬名 | 科名 | DHB換算量(μg/g) |
トウヒ | ミカン | 336.0 |
キジツ | ミカン | 20.0 |
オウバク | ミカン | 検出されず |
チンピ | ミカン | 検出されず |
ゴシュユ | ミカン | 検出されず |
サンショウ | ミカン | 検出されず |
ビャクシ | セリ | 784.0 |
ゼンコ | セリ | 2.1 |
ハマボウフウ | セリ | 0.65 |
トウキ | セリ | 0.54 |
ボウフウ | セリ | 検出されず |
ウイキョウ | セリ | 検出されず |
サイコ | セリ | 検出されず |
オウギ | マメ | 検出されず |
センナ | マメ | 検出されず |
カンゾウ | マメ | 検出されず |
カッコン | マメ | 検出されず |
クジン | マメ | 検出されず |
ソウハクヒ | クワ | 検出されず |
ホップ | クワ | 検出されず |
齋田哲也,藤戸博 佐賀大学医学部附属病院薬剤部
医療薬学Vol.32 No.7(2006)より
特に注意が必要な生薬は「トウヒ」、「ビャクシ」。
グレープフルーツジュース100mLあたりに含まれるDHBの量は1300ですが、この二つは2~4g程度で同じくらいの量のDHBを含有していることになります。
「トウヒ」と「ビャクシ」は、ツムラの医療用漢方製品には含まれないので、そこまで心配しなくても大丈夫そうです。
Q&A:アトルバスタチン服用中に食べてはいけないもの一覧!避けるべき食品とは?
Q1: アトルバスタチンを服用中にグレープフルーツを摂取するとどうなりますか?
A1: アトルバスタチンを服用中にグレープフルーツを摂取すると、薬の代謝に重要な酵素CYP3A4が阻害され、アトルバスタチンの血中濃度が上昇します。これにより、筋肉痛や肝機能障害、横紋筋融解症などの副作用のリスクが増大します。グレープフルーツやそのジュースは避けることが推奨されます。
Q2: 横紋筋融解症とは何ですか?また、どのような症状が現れますか?
A2: 横紋筋融解症は、筋肉細胞が急激に壊れることで発生し、ミオグロビンというタンパク質が血流に流れ込み、腎臓に負担をかける深刻な状態です。初期症状には筋肉の異常な痛み、筋力低下、疲労感があり、尿が茶色や赤褐色になることもあります。これらの症状が現れた場合は、速やかに医師に相談することが重要です。
Q3: アトルバスタチンと併用してはいけない薬はありますか?
A3: アトルバスタチンと併用してはいけない薬には、他のスタチン系薬剤、特定の抗生物質(例:クラリスロマイシン)、免疫抑制剤(例:シクロスポリン)などがあります。これらの薬はアトルバスタチンの血中濃度を増加させ、副作用のリスクを高める可能性があります。薬を併用する場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
まとめ:アトルバスタチン服用中に食べてはいけないもの一覧!避けるべき食品とは?
アトルバスタチンは、コレステロールを下げて心臓病や脳卒中のリスクを減らすためにとても重要な薬です。効果的に使うためには、いくつかのポイントに気をつけましょう。
まず、副作用として筋肉痛や横紋筋融解症があるので、筋肉に異常を感じたらすぐに医師に相談してください。
また、グレープフルーツは薬の効果を強めすぎるので、避けるようにしましょう。
日常生活では、バランスの取れた食事を心がけ、医師や薬剤師の指示をしっかり守ることが大切。
定期的な血液検査も忘れずに行いましょう。
あなたの健康を守るために、アトルバスタチンを正しく使って、安心して生活を送るための一歩を踏み出してください。疑問や不安があれば、遠慮なく医療専門家に相談しましょう。
参考文献・参考URL
最近の記事
- 【HANA・BIYORI】入園料を安くする裏技:アクセス・スタバ・持ち込みガイド
- プール活動時の熱中症予防と水温・気温の中止基準について【学校薬剤師:水質検査】
- プールで嘔吐した児童がいた場合の対応について【学校薬剤師:水質検査】
- “郷土の森公園”水遊びの池(じゃぶじゃぶ池)で思いっきり水遊び!駐車場情報もチェック
- 胃全摘手術を受けた芸能人の現在!手術の理由とその後の活動
コメント